今年(2019年)の春くらいに、邦銀の中でCLOと呼ばれる商品への投資が増えていると話題になりました。
リーマンショック時に流行ったCDOの繰り返しになるのではないかという懸念があったようです。
証券化商品とは

CLOやらCDOやらなんのことやら…

どちらも証券化商品といってある資産を裏付けにした証券のことだよ
CLOは「Collateralized Loan Obligation」の略で、日本語で言うと「ローン担保証券」になります。
CDOは「Collateralized Debt Obligation」の略で、日本語で言うと「債務担保証券」になります。

なるほど、わからん…
ローンだって債務じゃないの?

その通りで、CLOはCDOの一部と言えるね
大事なのは名前よりも、何を担保にしているのかということです。
リーマンショック時のCDOはサブプライムローンと呼ばれる信用リスクの高い個人向け住宅ローンが担保になっていて、春に話題になったCLOはレバレッジドローンと呼ばれる信用リスクの高い企業向けのローンが担保になっています。

個人が企業になっただけに聞こえる

投資する先の信用リスクは個人から企業に移り変わっているのは間違いないね
証券化商品の発想はどれも同じで、借金返せるか微妙な人たちでも、100人に貸せばきっと半分以上は帰ってくるだろうという前提のもと、証券を作ります。(さらにそれを束ねた証券にすることも)
100人のうち50人がちゃんと借金を返してくれるのであれば、シニア層の証券を買った人は安心ですね。
そのシニア層の証券を束ねてまた同じように階層を分けた証券化商品を作り、またそれを…と繰り返していけばどんどん安全なシニア層の証券が出来上がり、それに格付会社がお墨付きを与えたのがリーマンショックで大暴れしたサブプライムローン証券です。
CDOとCLOの違い

結局企業相手でも貸し倒れがあることは変わらないじゃん

サブプライムローン証券は不動産という1分野での勝負だったのに対して、CLOは業種を分散できるからリスクも分散できていると言われているけど…
日本のメガ3行や農林中央金庫などの大手金融機関は、大量のCLOに投資をしているものの、格付は高く、リスクの少ないものを選んでいると説明しています。
裏付になっているレバレッジドローン自体もそこまでリスクの高くないものを選んでいるということですね。
実際に、リーマンショックの際にも問題は発生していなかったとのこと。

そんなにCLOって魅力的なの?

信用リスク相応のリターンはあるけど、どちらかといえば超低金利で国債に期待できない分、相対的に魅力的になっている面が強いね
市場リスクで稼げなくなったので、信用リスクで稼ぐようになったというだけのことかもしれませんね。
リーマンショック時と違って最近は規制も厳しく、厳重なリスク管理体制が敷かれています。
自己資本管理やストレステスト等で各行の体力も見られていて、万が一の時もリーマンショック時よりは耐えることができそうです。
とはいえ、やはり特定の商品だけが積み上がっていくのは怖いですね。

春先に話題になってから随分経ってるけどなんで今更この話題?

社債が大人気という記事を見てこの話を思い出しただけです!
どうでもいいですがリーマンショックという言葉は和製英語で、外国人には伝わりません。(察してはもらえますが…)
英語では
などと言うことが多いようです。

恥ずかしかったね?

…
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