あなたの資産は大丈夫?リスクを数字で表現する-デイトレード編

リスク管理の考え方

前回の記事では、ロスカットのある株価指数CFDについてリスクを実際に数字として計算してみました。

あなたの資産は大丈夫?リスクを数字で表現する-レバレッジ編
以前の記事では、リスクを実際に数字として計算してみました。 前回はインデックスファンドを例にしてリスクの計算をしてみましたが、今回はこのブログでも紹介している、株価指数CFDについても同様の計算をしてみたいと思います。 ...

前回は短くても3か月程度の保有期間を想定していましたが、今回はもっと短い期間で考えてみます。

イメージはデイトレードで、株価指数CFDを例としていますが、FXについても考え方は全く同じで、違うのは株価指数ではなくて為替レートになることと、レバレッジの大きさくらいです。

定量化についての考え方は前回の記事を見てもらうことにして、さっそくデイトレードのリスクの計算をしてみましょう。

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リスクの計算

ここでは前提として、FTSE100の株価指数CFDを10枚持っているとします。

5日間持ち続けるときのリスク

2016年~2018年のデータを使った場合

まずは先ほどと同じ、2016年~2018年のデータを使って、5日間持ち続けるときのリスクを計算してみましょう。

グラフのとおり、2018/1/29~2018/2/5の5日間の下落幅が一番大きくて、▲496となっています。

株価指数CFDは価格×100が資産価値となりますので、

FTSE100の株価指数CFD10枚を5日間持った場合、最大で「496×100×10=496,000円」の損失が発生する

ということになります。

約50万円の損失ですから、これに耐えられるようにするためには、維持証拠金に加えて、さらに50万円を証拠金として積み増せばよいということになります。

2005年~2018年のデータを使った場合

今度は2005年~2018年のデータを使ってみましょう。

他は同じ前提です。

FTSE100のCFDは2010年11月21日に上場されているので、それ以前の価格データがありません。そのため、ここでは2010年11月21日以前の価格はFTSE100自体の価格を使って補完しています。

グラフのとおり、2018/10/3~2008/10/10の5日間の下落幅が一番大きくて、▲1,034となっています。

株価指数CFDは価格×100が資産価値となりますので、

FTSE100の株価指数CFD10枚を5日間持った場合、最大で「1,034×100×10=1,034,000円」の損失が発生する

ということになります。

約100万円の損失ですから、これに耐えられるようにするためには、維持証拠金に加えて、さらに100万円を証拠金として積み増せばよいということになります。

先程の例と比べると、2倍以上の数字になっています。

分かりやすくいってしまうとリーマンショックも考慮に入れるとこうなるということです。

リスクを見積もる上で、どの期間のデータをもとに計算するかがいかに重要かが分かってもらえたかと思います。

1日持ち続けた場合のリスク

2005年~2018年のデータを使うという点は同じですが、前提を5日間保有から1日保有に変えてみましょう。

グラフのとおり、2011/8/8の下落幅が一番大きくて、▲404となっています。

株価指数CFDは価格×100が資産価値となりますので、

FTSE100の株価指数CFD10枚を1年持った場合、最大で「404×100×10=404,000円」の損失が発生する

ということになります。

約40万円の損失ですから、これに耐えられるようにするためには、維持証拠金に加えて、さらに40万円を証拠金として積み増せばよいということになります。

同じ期間のデータを使っても、結果が半分以下になりました。

当然と言えば当然で、短い期間しか持たないのであれば、それだけ価格下落に遭遇する可能性が下がるということですね。

おわりに

ちょっと難しかったかもしれませんが、具体的な数字を使ってリスクの計算をしてみました。

大事なのは、

  • 観測期間(いつのデータを使うか)
  • 保有期間(どのくらいの期間保有するつもりか)
  • ポジション(何枚持っているのか)

です。

今回サンプルとしたFTSE100の株価指数CFDですが、長期間保有して配当をもらうという前提の投資であれば、過去の下落を見た時に一番ひどかったのがリーマンショックになるのは自明です。

ですが、これをデイトレードとして考えた場合、一番下落したのはリーマンショックではなくて2011年の8月の米国債ショックであり、1割程度の下落が発生していることが分かります。

米国債ショック:米国の債務が膨らむ中で米国債にデフォルトの懸念が発生し、格付会社(S&P)が米国債の格付を下げたことで発生した株価下落。

この場合

FTSE100の株価指数CFD1枚をデイトレードする場合、最大で「7,500×0.1×100×1=75,000円」の損失が発生する

ということになります。

前回の記事で、長期保有する場合は

FTSE100の株価指数CFDは1枚につき証拠金を30万円積んでおけばリーマンショック級の下落があっても大丈夫

としていましたが、それに比べると積む必要のある証拠金は30万円から7万5千円と大きく減っています。

これはデイトレードの方が長期の投資よりもリスクが少ないということになります。

一方で、世の中ではデイトレードよりも長期の積立の方がリスクが少ないと言われています。

これはどういうことかというと、比較対象が違うだけで、リスクを比較すると

長期投資 > 短期投資
一括投資? > 積立投資

と言えます。

積立投資はリスクが少ないと言われている場合のリスクとは、高値掴みをする可能性を指しているのです。

購入するタイミングがばらばらであるため、高値掴みを避けることができ、結果として1度にまとめて投資する場合よりもはるかにリスクが下がります。

ですが、今回計算したとおり、短期間持つよりも長期間持つ方が、発生する可能性のある損失額は大きくなります。

長期の投資では、高値掴みのリスクを避けて大きな損を回避できる一方で、発生する損失の期待値は短期投資よりも大きいと言えます。

長期の積立はそのような大きな損が発生しても、長い目で見ればいずれ回復するのでその点は大丈夫なのですが、株価指数CFDのようにロスカットがある商品の場合、しっかりと発生しうる損失額を計算し、それに耐えられる設計にすることが重要なのです。

また、このブログで紹介している株価指数CFDの投資方法では、価格の上昇で稼ぐのではなく、配当をもらい続けることを目的とし、あまり評価損益は気にせずにロスカットされないことだけに注力することにしています。

リスクというシンプルな言葉ですが、何を指しているかはその文脈で異なるため、リスクの低い高いを判断するのは簡単ではありません。

この記事で言うリスクとは発生しうる損失額のことで、それは短期投資よりも長期投資の方が大きくなります。

余談ですが、個人投資家って短期投資の方が損失をたくさん出しているイメージがありませんか?

期間という概念で見ればリスク自体は少ないものの、レバレッジを大きくすればその分リスクは増えますし、ちゃんと損切りせずに粘ったりすればどんどんリスクは大きくなっていきます。

その辺のコントロールは非常に難しく、初心者が手を出すと身の丈にあわないレバレッジをかけ、適切な損切りラインを設けない、もしくは諦めきれずに粘ってしまい、結果としてロスカットされてしまうということではないかと思っています。

リスクという物差しは、投資をしていくうえで、自分の判断のよりどころとなる数字なので、ちょっと大変ですがしっかりと計算し、納得したうえで投資をはじめてもらえればと思います。

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