投資だけではない!身近に潜む市場リスク

リスク管理の考え方

前回の記事では、リスクの定義について簡単に触れました。

はじめてのリスク管理
リスク管理のカテゴリを作ったもののどんな記事から作るか長らく悩んでいましたが、まずはリスクやリスク管理とはなんなのかについてまとめます。 リスクという言葉は分野や用途によって様々な意味合いを持っています。 怪我をするリスクが...

いろいろあるリスクの中でも、特に個人投資で注目すべきは市場リスクですが、今回はその市場リスクについて、もう少し細かく説明したいと思います。

前回の記事で、市場リスクとは「市場の価格等が動くことによる収益または損失の変動」と説明しましたが、この「価格等」にはいろいろな指標があって、市場リスクを考える上ではそれが非常に重要です。

まずはそれについて整理したうえで、実際の投資等とどのように絡んでいるのかを説明します。

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リスクファクター

「市場価格等」と表現していますが、具体的には

  • 金利
  • 為替
  • 株価

が主要な構成要素となります。

このような、資産価値に影響を与える市場価格等をリスクファクターと呼びます。

金利は中を見ると日本金利、米国金利、欧州金利などがあり、さらにその中でも短期金利、長期金利など、どんどん細分化されていきます。

株価についても、日本株、米国株、欧州株などに分かれます。

商品にリスクファクターがあるということは、そのリスクを持っているのと同義です。

例えば、海外債券であれば金利リスクと為替リスクを持っています。

リスクヘッジやリスク管理という観点では、このリスクファクター同士の関係が非常に重要になってきます。

リスクファクター同士の関係

リスクファクター同士の関係については、その時その時で変わってきたり、ひとことでは言い表せないことが多いのですが、一般論として、代表的なものを紹介したいと思います。

株と金利

例えば、金利と株は逆の方向に動きやすいと言われていまます。(これを逆相関といいます)

景気が良くなってくると株価があがり、あわせて金利もあがっていき、

株価があがる
→株の資産価値があがる
金利があがる
→債券の資産価値がさがる

となって資産価値という意味では逆に動きます。

つまり、株と債券を持つことは、どちらかが下落しているときにはもう一方が上昇するというリスクヘッジを行っていると言えます。

これについては、最近はそうとも言えない状態となっています。

日本では株価があがっても超低金利状態は続いています。

アメリカでも、株価があがって景気が良くなってきたからとFRBが金利をあげた途端に株価が大暴落。

金利の操作は中央銀行の金融政策によるところが大きく、株価があがっているのに金利も低く抑えておけというのは、市場が中央銀行に甘えきっている状態とも言えますね。

日本株と米国株

次に、日本株と米国株を持っている場合を考えてみましょう。

最近のニュースでも良く見かけると思いますが、アメリカで株価が下落した後は、日本の株価も後を追って下落することが非常に多いです。

つまり、

国内の株価(例:日経平均)がさがる
→国内株の資産価値がさがる
米国の株価(例:NYダウ)がさがる
→米国株の資産価値がさがる

となって、資産価値という意味では同じ方向に動きます。

これは、国内株と外国株を持つということが、リスクヘッジにはなっていないということと同義です。

日本株と為替

これもよくニュースになるので分かりやすいと思います。

「円安の影響でトヨタの利益が大幅増」などなど。

輸出企業は外貨の取引が多いので、円安になると自然とその価値があがる訳です。

つまり、

円安になる
→ドルの資産価値があがる
国内の株価があがる
→国内株の資産価値があがる

となるので、国内株とドル円ショートポジション(円高になると利益がでる取引)を持つということは、どちらかが下落しているときにはもう一方が上昇するというリスクヘッジを行っていると言えます。

投資商品とリスクファクターの関係

各リスクファクターと個人で取引できるような商品の関係は以下のようなイメージです。

  • 日本株
    ⇒株価リスク
  • 海外株
    ⇒株価リスク、為替リスク
  • FX
    ⇒為替リスク
  • 日本債券
    ⇒金利リスク
  • 海外債券
    ⇒金利リスク、為替リスク

リスクヘッジのための分散投資

投資の情報を調べようとすると、「ひとつの商品に集中するのではなく、いろいろな商品に分散投資してリスクヘッジしましょう」という話を聞くと思います。

これは正しいのですが、上記の例を見てもらうと分かる通り、複数の商品に投資したからといってリスクヘッジになっているとは限りません。

「日本株と米国株」、「日本株とドル円ショート」のような組み合わせでは、両方の取引で同時に損を出してしまう可能性が高くなります。

身近に潜む市場リスク

ここで紹介したようなリスクは、投資に限った話ではありません。

住宅ローンなんて金利リスクを丸抱えしているようなものです。

積立タイプの生命保険も金利リスクを抱えています。

市場リスクという観点で考えると、住宅ローンを持っている人が株式を持っている場合、株価があがれば金利があがると考えると、

金利があがる
→住宅ローンの支払金利があえる
株価があがる
→株の資産価値があがる

となり、自然とリスクヘッジできているとも言えます。

大げさに言うと、もし自分の会社が輸出企業だったとしたら、お給料自体が為替リスクを帯びているとも言えます。

輸出企業の社員がドル円ロング(円安になると利益が出る)のFX取引をしていたら、円高による業績悪化の給料ダウンとFX取引の損失拡大が同時にやってくるかもしれません…

住宅ローンの宣伝で、「固定金利でリスクなし」のような売り文句を見かけることがありますが、これは大間違いです。(リスクの定義にもよりますが…)

これはまたどこかで記事にしたいと思います。

おわりに

今回は市場リスクの種類とそれぞれの関係、市場リスクがどのような場所に潜んでいるかを簡単にまとめました。

読んでいて難しいと感じるところが多かったかもしれませんが、それがまさに投資の難しさそのものでもあります。

複数の商品に投資するような場合、そのリスクを適切にとらえるのは至難の業と言えます。

特に為替が絡んでくるともう何が何だか…

また、この記事では商品間で市場リスクをヘッジするという内容でしたが、商品を分散させる以外にも、時間的に投資を分散させるという手法もあり、投資の初心者にはそちらをおすすめしています。(私もそのような投資がメインになっています)

こちらについても、後日記事にまとめたいと思いますので、その際は参考にしてもらえればと思います。

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