積立投資は複利効果で将来的に大きな収益が望めるという話を、投信積立のすすめなんかで良く見かけると思います。
これは確かにその通りで、このブログで紹介している株価指数CFDも配当を再投資することで大きな複利効果を得ることができます。
一方で、手数料は逆に負の複利効果を生み出している事実に注目されることはあまりありません。
例えば毎年投資額の1%が手数料として取られてしまう場合、どのくらい投資効率が落ちるのでしょうか。
今回は手数料による投資効率の変化について見てみたいと思います。
積立投資の場合
ここでは例として、利回り3%の商品に投資する場合を考えてみましょう。
初期投資として100万円投資し、その後1か月につき1万円積み立てるとします。
年に2回利息を受け取れるとした場合、最終的な積立額は手数料なし、0.5%、1.0%で以下のグラフのように変わってきます。
30年後の積立額は以下の通りです。
手数料 | 積立額 | 最終利回り |
0.0% | 8,288,260 | 80.2% |
0.5% | 7,469,476 | 62.4% |
1.0% | 6,742,206 | 46.6% |
年間の手数料が1%違うだけで、最終利回りが40%近く減っていますね。
なんと金額にして150万円近く変わってきます。
投資総額460万円(100万円+1万円×12か月×30年)ですから、ものすごく大きな差ですね。
積立投資でない場合
次は同じ条件で、月々の積立のない場合を考えてみましょう。
外貨預金のように、まとまった額を投資してそのまま放置するような場合です。
30年後の積立額は以下の通りです。
手数料 | 積立額 | 最終利回り |
0.0% | 2,443,220 | 144.3% |
0.5% | 2,106,796 | 110.7% |
1.0% | 1,815,361 | 81.5% |
こちらについても手数料が重くのしかかってくることが分かります。
年間1%の手数料ですが、最終利回りでみると60%以上の利回り低下が起きています。
最終的な金額にしてみると、手数料が1%だと積立額が4分の3になってしまいます。
100万円を投資した結果の利益が140万円から80万円に落ちてしまうわけですので、かなり投資効率が落ちていると言えます。
おわりに
分かりやすくするためにちょっと極端な例を出しましたが、手数料を低く抑えることの重要さを分かってもらえたのではないでしょうか。
手数料は証券会社の収入としての側面もあるので仕方ない部分もありますが、低いに越したことはないです。
積立NISAの記事でも紹介している「三菱UFJ国際投信」の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は手数料が低いことで有名で、「0.11772%以内」という文字通り桁違いの手数料の安さです。

一方で、有名なロボアドバイザのWealthNaviでは1%ですし、投信ではひふみプラス等のアクティブファンドでも似たような手数料のものが多いです。
このような商品では、手数料の低い投信よりも高いパフォーマンス(利回り)が出ていないと割に合いません。
手数料が低い投信はインデックスに追従するように証券を組み入れるだけなのに対し、手数料が高い商品はインデックスに負けないように工夫を凝らさないといけないので手数料が高く、その分大きなリターンを得られる可能性もあります。
また、新興国の株式や債券など、そこまで流動性が高くない(市場取引が活発ではない)商品の場合も、高い利回りが見込める一方で、手数料は高くなっていることが多いです。
いわゆるハイリスクハイリターンですね。
ちなみに、以前紹介した楽天証券で楽天カードのポイント還元が受けられるという話ですが、還元されたポイントを翌月の積立に加えることができるので、積立額が1%増えることになります。(利回りではないので注意)

先ほどの積立投資と同じ前提とした場合にどうなるかというと…
こんな感じになって、30年後の積立額は以下のようになります。
楽天カード | 積立額 | 最終利回り |
未使用 | 8,288,260 | 78.8% |
使用 | 8,346,466 | 80.0% |
グラフで見ると分かり辛いですが、最終的に6万円程度の差にになります。
単純なポイント還元額で考えると、1万円×1%×360か月で3万6千円ですが、それが倍近い金額に育った訳です。
積立NISAで月3万円積み立てていると考えると、そのまま還元額の伸びが3倍され、最終的に20万弱もの上積みとなります。
完全に囲い込まれてしまいますが、楽天カードを持っている人は楽天証券で投資するのが一番ですね…
ちょっと話が逸れてしまいましたが、手数料に関してのお話は以上になります。
昔ながらの投信や、最近増えてきているロボアドバイザやソーシャルレンディング等、どの投資にも共通して言えることなので、ぜひ頭に入れておきましょう。
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