今回はこれあまであまり話をしてこなかった、保険の話です。
とはいっても、私自身は保険の専門家ではありません。
ですが、学生時代の同期で、保険の商品設計(アクチュアリー)をやっている人がいてよく話を聞くので、それを基づいて、自分なりに考えたことを書いてみたいと思います。
保険はリスクに備えるもの、そのリスクがなんなのかをしっかりと考えることで、自分にどのような保険が必要なのかが見えてきます。
特にこの記事では、若いうちから考えておくべき、老後のリスクについて重点的に書いていきたいと思います。
保険とリスクの関係
リスク管理の記事でも書きましたが、リスクとは不確実さです。

そして、保険とはその将来の不確実さによって生じるであろう出費を軽減もしくは回避するためのツールです。
良く、掛け捨てと積立のどちらが得かみたいな話を見かけますが、保険とは損得で考えるのではなく、どのようなリスクに備えるかで考えるものです。
保険で回避または軽減できるリスク
保険と言っても種類はさまざまで、
- 生命保険
- 医療保険
- 年金保険
あたりが一番よく聞くものだと思います。
当然ですが、生命保険は生きているか死んでいるかわからないという将来の不確実さに対する保険となります。
ですので、もし死んだときにどのような不都合が生じるのかを考えると、必要な保障内容もおのずと決まってきます。
- 子供の学費
- ローンの返済
- 家族の老後の資金
などなど、その時その時で必要なお金は変わってきます。
子供が独立して、ローンを払い終わっていれば、もう大きな保険は必要ないですよね。
逆にこれからお金がかかるというタイミングであれば、掛け捨ての保険でお金のかかる期間に保険をかけるのも有効です。
良く、保険は若いうちに入っておくべきとも言われますが、それは将来の道筋がしっかりと見えていればの話で、そうでないのであれば保険自体が不要なこともあり得ます。
保険も投資と同じで、自分の将来の目標にあわせて設計するものなのです。
老後のリスク
この記事で書きたかったのは主にこちらの内容になります。
生命保険は死んでしまうかもしれないというリスクに備える商品ですが、逆に死なないこともリスクと言えます。
人間の平均寿命がのびてきた近年では、どちらかというといつまでも死なない、長生きするというリスクの重要性があがってきていると思います。
今までですと、仕事を退職するまでに資産を形成し、老後はそれを取り崩して生活し、寿命を迎えるというのが一般的なモデルでした。
保険についても、途中で死んだとしても、家族がそのモデルを維持できるような保障内容が中心になっています。
ですが、寿命が延びてくると、資産を取り崩す形では最後までもたない可能性がでてきます。
退職後の余生が倍になれば必要なお金も倍になると考えてよいでしょう。
そうなると、今の国民年金、厚生年金だけではちょっと心もとないです。
終身型の個人年金で老後の固定収入を増やす、配当を受け取れる資産を作っておくなどの工夫が必要ですね。
このような老後に備えた資産形成は、生命保険のような若いうちはどのくらいの保証が必要にあるかわからないものとは違い、早くから取り組むことができます。
老後のために貯金するという選択肢もありますが、長生きするかもしれないというリスクに備えて年金保険に加入することも考えてみてはいかがでしょうか。
私の場合
参考までに私の入っている保険のタイプを紹介したいと思います。
生命保険なのですが、内容は
- 積立型
- 満期後は一括受取か年金形式を選択可能
- 年金形式は確定年金と終身年金を選択可能
といった感じです。
定期預金なんかよりもはるかに利率が良いので、資産形成の一環として取り組んでいる側面もありまが、積み立てたお金はよほどのことがない限りそのまま終身年金にするつもりです。
終身年金にすればもちろん給付額は確定年金(給付期間と金額が決まっているタイプ)よりも低いです。
長生きしなければ損してしまうことになります。
ですが、冒頭で書いた通り、保険は損得ではなくて何のリスクを軽減、回避したいかで考えるべきです。
「どんなに長生きしても、必ず毎月生活に必要な金額の収入がある」という安心を買うつもりで保険に入っています。
これは個人的な感覚かもしれないのですが、資産を取り崩していく時、残りが少なくなってくるとやっぱり不安になってくると思うんですよね。
特に平均寿命が延びている現代だからこそ、途中で積み立てた資産が底をつく可能性は高くなっているのではないかと思います。
そういう意味でも、最近ニュースにもなった年金受け取りの繰り下げ受給(受け取り開始を遅らせること)は有効だと思います。
受け取りを70歳まで遅らせることで受給額が4割近く増えます。
国民年金または厚生年金であるため、もちろん終身で死ぬまで受け取ることができます。
ある程度たくわえに余裕のある人や、70歳まで働ける人、働きたい人には魅力的な選択肢ではないでしょうか。
長生きしないと元を取れないではなく、長生きしても大丈夫という見方で考えることが重要です。
おわりに
保険はたくさんの会社がたくさんの商品を出していて、どれを選ぶか、簡単には決められないと思います。
人によって必要な保障内容もさまざまです。
また、損得で考えてはいけないと書きましたが、明らかにコストパフォーマンスの低い保険も存在するので、それは避けなければいけません。
一般的には、大手保険会社などの、営業店がたくさんあり、広告もたくさん出しているところはそのコストが保険料に乗ってくるので割高だと言われます。
大して、ネット生保なんかはその辺のコストが抑えられているので安いですね。
ちなみに私が入っている保険はプルデンシャル生命の商品ですが、この会社では広告は出さず、保険の勧誘も加入者の紹介でしかやっていないそうです。
そうすることで、広告費を抑え、保険が不要な人への無駄な営業をなくして余計な経費も抑えているのでしょう。
通常の大手生保とネット生保の中間みたいな感じですね。
興味のある人はまわりの知り合いにプルデンシャル生命に加入している人がいないか聞いてまわって紹介してもらってください。
きっと一人くらいはいると思います…!
ちょっと話がそれましたが、まずは保険でどんなリスクを抑えたいのかを検討し、自分たちの人生設計にあわせた保険を選びましょう。
どんな人生設計に対してどんな保険が適しているかは、既に情報があふれていますので、あまり具体的な内容は書きませんでした。
それよりも、保険への加入を検討するにあたっての、考え方のひとつとしてこの記事を参考にしてもらえればうれしいです。
コメント